「越境部活動 第4期」TOKYO越境CAMP を実施しました
2026年8月24日(月)から26日(水)の2泊3日、全国の高校生を対象とした越境型探究プログラム「TOKYO越境CAMP―Find Your New World―」(越境部活動 第4期)の合宿を、JICA地球ひろば(東京都新宿区)を会場に開催しました。宿泊は東京セントラルユースホステルで、全国から集まった高校生27名が、生成AI、社会起業、政策提言、エネルギー、スポーツ科学、まちデザイン、世界文化・言語、アフリカの8つのテーマに分かれ、3日間を共に過ごしました。
1日目:心理的安全性から始める探究
初日は、即興演劇「インプロ」のワークショップからスタートしました。台本や決められた正解がない状況で、相手のアイデアを受け入れ、反応しながら場をつくる体験を通して、初対面同士の緊張がほぐれていきました。合宿では、安心して探究に取り組むために必要な要素として「話しやすさ」「助け合い」「挑戦」「新奇歓迎」の4つを共有。自己紹介では学校名や学年を伝えるのではなく、「自分の中心にあるもの」「自分が誰かに貢献できること」を語り合い、普段の学校生活では見えにくい一人ひとりの価値観に触れる時間となりました。
夜には哲学対話も実施。「そもそも○○とは何なのか」「自分にとって大切なものは何なのか」といった問いを起点に、一つの答えを出すことを目的とせず互いの考えに耳を傾けました。異なる地域から集まった高校生だからこそ、同じ言葉やテーマであっても背景にある文化や経験によって捉え方が異なることに気づく場面が見られ、会場全体の空気が少しずつやわらかくなっていく様子が印象的でした。

2日目:「好き」を探究テーマへ、街を新しい視点で観察する
2日目は、自分が時間を忘れて取り組めること、なぜか気になってしまうことを書き出す「偏愛ワーク」に取り組みました。「社会的に評価されそうか」を基準にするのではなく、自分の心が実際に動いた経験を振り返り、仲間との対話を通じてその背景にある価値観や原体験を掘り下げます。個人的な「好き」であっても、深く見つめることで教育・地域・環境・文化・福祉・テクノロジーなど社会との接点が見えてくる、という発見が随所にありました。
午後には、会場周辺を歩きながら街や人の行動を観察する「Sense Safari」を実施。自分自身の感覚だけでなく、小学生、子育て中の保護者、高齢者、観光客、商店主、自治体職員、起業家、障害のある人など、異なる立場に立って街を見る「役割レンズ」を活用しました。同じ場所でも立場が変われば見える課題や可能性は異なり、自分の関心だけで探究を閉じず他者や社会の視点を取り入れる練習となりました。

3日目:探究を「72時間以内の一歩」へ
最終日には、一人ひとりが「Project Seed Canvas」を使い、①自分が好きなこと・気になること・違和感があること、②その関心が生まれた経験やきっかけ、③3か月間で試してみたいこと、④72時間以内に取り組む最初の小さな実験、⑤現時点で分からないこと、⑥仲間や専門家に助けてほしいこと、という項目に沿ってプロジェクトの原型を整理し、発表しました。重視したのは完成度の高い計画ではなく、次に何をするかを自分の言葉で決めること。「まず一人に話を聞く」「現地へ行って観察する」「アンケートの質問をつくる」など、小さく具体的な行動に落とし込み、合宿で得た高揚感を日常での実践へつなげました。

合宿後:8つの「越境部活動」へ
合宿後は、オンラインを中心とした8つの「越境部活動」へ移行します。参加者は全国の仲間や、文部科学省主催「トビタテ!留学JAPAN」経験者である「センパイ顧問」の伴走を受けながら、文献・事例調査、専門家や当事者へのインタビュー、地域でのフィールドワーク、企画、SNSでの発信などを重ね、約3か月間プロジェクトを育てていきます。2026年11月1日には、成果だけでなく道中の迷いや失敗、テーマの変化も共有する成果発表会「越境祭」(オンライン)を予定しています。
今回の合宿を通じて、参加者が学校や地域という枠を越え、自分自身の「当たり前」を問い直しながら一歩を踏み出す姿を、あらためて間近で見ることができました。今後も、学校での学びと社会をつなぐ探究機会として、越境部活動を育てていきます。
主催:特定非営利活動法人Leap for/一般社団法人ウィルドア
助成:一般財団法人三菱みらい育成財団
共催:一般財団法人 地域・教育魅力化プラットフォーム
協賛:キュリー株式会社
